第1237回
■私の妻は「神さん」ですさんからのQ(質問):おすすめの全集は?

「ネットワーク社会の深層構造」(江下雅之著。中公新書)
を読んでいたら、
1982年に出版された「主婦論争を読む」
(全2巻。上野千鶴子編。勁草書房)に、
邱先生の「男女分業論」が掲載されている旨の記述がありました
(「婦人公論」からの転載)。

同書には、平塚らいてう、都留重人、梅棹忠夫など
高名な方の論文も掲載されているそうなので、
近々図書館から借りて読んでみようと思います。

ところで、邱先生の全集としてお勧めのものがありましたら
ご教示ください。


■QさんからのA(答え)

いまの若い人は知らないでしょうが、
昔は「おしゃもじ族」と言って
主婦の人たちがしゃもじを持ってデモをしていました。
その人たちの中にはなかなか難しい主張をする人がいるんで、
私が冷やかし半分に野次ったことがあります。
するとたちまち噛み付かれて、
日本経済新聞で1ページを使って反撃されてしまいました。
うちのカミさんがそれを見て
「女と喧嘩するバカがどこにいるの。
負けるに決まっているでしょう」
と言われたことがあります。

その頃の主婦連は台所から世の中を見ていて、
米の値段が上がっても政府に抗議をしていましたが、
最近はそういう動きが全くなくなってしまいました。
いまの女の人は主婦であるよりも、
みんな働きに出るようになって
自分で稼げるようになったからでしょう。
大体戦争が終わってから私が「男女分業論」を書いたのは
昭和30年から40年ぐらいまでの間の出来事で、
以後日本が豊かになると日本人の生活もすっかり変わりました。
収入のある女の人に
「いつまでも主婦で家にいろ」なんて言えませんものね。
ましてや旦那が失業する時代には
大黒柱だけでは家が支えきれません。

私の本をお読みいただくのもいいんですけど、
昔のものをお読みいただく時は
その時代の環境がどうだったかを頭に入れてお読み下さい。
時代が変われば、私の考え方も少しずつ変わります。
全集も今までに3回出ておりますが、
一番初めが徳間書店から全10巻、
2回目が日本経済新聞社から全20巻、
3回目は実業之日本社から「邱永漢ベストシリーズ」といって
全50巻出ております。
私の本は多方面に渡っていますので、
興味をお持ちになって分野のものだけ拾って
お読みになって下さい。


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