中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1840回
パンダのしっぽさんからのQ(質問):中国の格差について

初めてご質問させていただきます。
中国へ来て5年近くしか経っていませんが、
街並みの変化や物の品質、バラエティや物価など、
中国の経済成長を肌で感じてきました。
そうしたなか気になっているのが、生活水準の格差の広がりで、
1品百元近くもするレストランから1食5元もしない屋台、
繁華街に立ち並ぶ高級デパートから
1着10元もしない服屋など
給与所得にとどまらず、衣食住までが
完全に二極化しているように思えます。

「30年前の日本」だとか、
「20年後中国の生活水準は日本と変わらない」とか、
過去の日本と比べて中国の成長ぶりを見る日本人も多くいますが、
中国と日本は国民性も政策も全く別であり、
日本が歩んできた経済成長のようにはならないと思います。
中国の生活水準の格差や
都市部と農村部の経済格差の今後の行方について
邱先生は、どう考えておられますか?
宜しくお願い致します。


■QさんからのA(答え)

高度成長期の日本は
戦後の所得を平均化させるための税法を適用して、
たとえば1年間に10億円儲けた松下幸之助さんからは
9億円税金を取るというやり方をしたので、
所得格差はあまりありませんでした。
「日本こそ社会主義国だ」という感じでした。
でも、いまの日本もだんだん格差社会への道を歩み出しています。

実は中国は共産主義への道を歩んで、
生産性がストップしてしまいました。
その反省から社会主義市場経済に移るプロセスで、
すでに格差社会の方向に向っていると考えていいと思います。
ですから辿ったプロセスは違いますが、
生産性を重視すれば、格差がつくのは避けられないようですね。

ですからこれから日本で起ることと、中国で起ることには
あまり差がないということが言えると思います。
このあとどうすればよいかは、
これから考える重要なテーマの一つです。


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2007年9月14日(金)

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