中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1909回
■サクラさんからのQ(質問):若さが気になります

こんにちは。
毎日楽しみにして読ませていただいております。

今回質問させて頂く内容は
「中国における若き経営者の立場」についてです。
10月8日に『フォーブス』で発表された
2007年版の中国長者番付によりますと、
広東省を拠点した別荘やマンションの建設を手がけている
『碧桂園』(2007)の楊恵妍・執行取締役が
資産総額162億米ドルで1位となっております。
楊執行取締役は碧桂園の楊国強・会長の娘で、
現在26歳との事です。
2005年に父親の楊会長から所有株の譲渡を受け、
更に2007年4月に香港市場に新規株式公開(IPO)したことで
資産総額が急増しているようです。
2007年6月中間決算では、
売上高:60億3400万元(前年同期比48.0%増)
純利益:14億2100万元(同164.3%増)
EPS:0.097元(前年同期は0.04元)となっており、
これからを期待しています。

しかし、執行取締役の26歳という若さが気になっております。
若い経営者への風当たりは中国では慣例として強いのでしょうか?
もし強いならば、楊執行取締役は
いずれ実父の後を継ぐことになると思いますが、
その際の碧桂園への影響についてどう思われますか?
どうぞよろしくお願いします。


■QさんからのA(答え)

共産中国は私有財産の国有化からはじまりましたから、
税金というものがなかったんです。
そこからはじまって、
社会主義市場経済に移していくプロセスで
税法がまだちゃんとできていません。
贈与税とか相続税という体制がまだできていないために、
突然金持ちになった人が
自分の財産を子供にあげても税金がかからないですんでいます。

そういう親の財産を子供が継ぐことに対して
お金のない人は不公平だと文句を言います。
しかしそのお金を継いだ人が
それをうまく運営していけるかというのは
もう一つの問題があります。
大体親よりうまくやれる人は100人に1人もいるかどうか、
あとはみんな駄目にするに決まっています。
娘さんが継いでうまくやっていけるなんて
思わない方がいいと思います。

代わりにちゃんと働いてくれる腕のいい部下がいて、
その人たちがやってくれればいいのですが、
日本を見てもわかるように
大きな会社は皆サラリーマン経営になってしまいました。
中国もあと一代たてば、
似たようなことになるんじゃないでしょうか。


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2007年11月22日(木)

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