第2099回
■チャントさんからのＱ（質問）：漢民族の宗教観

日頃、コラムや書籍を拝読させていただいております。
中国人の宗教観についてお伺いします。
中国にはイスラム教徒やチベット仏教徒などもおりますので
漢民族に限定して考えてみます。

漢民族は儒教や道教が一般的な宗教であると認識しております。
そして中国の古典では
儒教の孔子などすばらしい人と考えがあります。
ところが、日常生活での宗教観や行動に
それが表われていると感じさせるものがありません。

かれらの日常生活から感じさせられるものは
合理性、欲望、見栄ばかりです。
家族、同族意識は強いものがあるようですが
これは仲間意識の強さであり宗教観とは特に関係ないと思います。
先生は漢民族の宗教観についてどうお考えになりますか。

■ＱさんからのＡ（答え）

あなたは日本人の宗教観をどう考えていますか。
日本人は宗教的な国民ですか。
昔から日本にあるのは神道くらいなもので、
仏教もキリスト教も全部輸入品です。
日本人の宗教も文化も大半が外国からの輸入品ですから、
お互いそんなに変わりはないのではないでしょうか。

もともと宗教は合理性を追求するものではありません。
違いはどこにあるかというと、環境と歴史だと思います。
その中で中国人がどうやって生きてきたか理解できないとしたら、
あなたは日本人の宗教がどうしてこの形になったかということも、
ただその中で呆然と生きているだけのことで、
ほとんど理解していないと考えていいのではないでしょうか。
先ずは漢民族に目を向けるより、
大和民族はどうして今のような生き方をしているのか
よく考えて見て下さい。