第2308回
■黄色いシャツさんからのＱ（質問）：今後、円はどこにむかう？

邱先生、楽しんでハイＱを拝見させていただいています。
読者のたしなみと思い手帖は毎年買っています。

先日、円高の解説で、
日本人が海外投資をした資金が還流しているのではなくて、
アメリカの禿鷹たちが日本の銀行から円で借りていた借金に
返済の期限が来たからですよ、と書いておられました。
わたしは１０月末ごろベトナム株を購入するために
証券会社に連絡をとったさい、
アメリカから日本の銀行に決済するための
円買いはいつまで続くと思いますか、と質問した際、
担当者から「円のファンダメンタルズが強いからですよ」
と言い返されたばかりだったので、
真相はやはりそうだったのか、と納得しているところです。
日本に還流してきた円は円あまりの状況だと思うのですが、
今後、円はどこにむかうのでしょうか？
日本の低金利は続いていますからアメリカの禿鷹が同じように、
お金にふくらし粉をかける行為を繰り返すと、
先生は考えておられますか？

■ＱさんからのＡ（答え）

日本ではバブルのはじけた後に、
企業を救うために低利政策をとりました。
銀行はそのお金をアメリカの禿鷹たちに貸し、
その連中が日本株の買占めをやったので、
ご覧のようにソニーもキャノンも、
半分以上が外国人株主ということになってしまいました。

それが今アメリカの方が大火事で、
皆古巣に舞い戻って
他所の国に手をひろげる余裕などありませんから、
これから先、また日本のお金を借りて
日本で一儲けということは遠のくと思います。
ですからやっと日本人が自分の国の企業を、
自分たちで立て直すチャンスが来たんじゃないでしょうか。
そういう時代にまた禿鷹が来る心配をするよりも
先ず禿鷹が逃げだした跡の
日本人の古巣の整理をする必要があると思いませんか。