今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第15回
アジア株の秘境 ベトナム市場

この国の発展は、始まったばかりです。
税収はほとんどが国営企業によるもので
所得税を払っている人はまだ30万人もいません。
その国営企業も多くは赤字です。
石油や米・魚・エビ・木材などの輸出は国営企業が
独占的に扱い、それらを序々に民営化・上場へと
いうストーリーなのですが、
政府は様子を見ながら規則を少しずつ変えています。

株式市場は、まだ2000年7月に出来たばかりで
現在二十数社が上場しています。
株価は荒っぽい動きをしています。
取引が開始された当初には、ある張り切った地元の投資家が
家も売って、勝負にでましたが、株価は下げてしまって
住むところがなくなってしまったという話もあります。

現在の口座数は1万数千ほどですが、
まだまだ庶民の間では敷居が高そうです。
1980年代の後半には
700%を越えるハイパーインフレを経験した国民です。
長年の動乱で貯蓄率は高いのですが自国通貨は信用できず、
1993年の資料では貯蓄の47%はドルか
金によって保有されていました。
最近は郵便貯金の伸びが高いようです。

外国人が証券口座を開くことは可能ですが、
現地へ行かねばならず、また多くの書類が必要です。
現在のところインターネットでの取引もできません。
さらに、外国人は「株式購入後の1年間の保有義務」があります。
そんな制度を嫌がって、現地に住む外国人は
現地の人の名義を借りて取引を行っているようですが
ちょっと危なそうな話です。

株価指数は2001年6月に最高値の571ポイントまで上昇し、
その後下落しました。
2003年5月19日現在では154前後です。
株価収益率(PER)で見ると
5倍以下まで下げている会社もあり
配当10%も夢ではありません。
簡単に入手できるのでしたら、1年間の保有義務など
ものともしない魅力がありそうです。
不便だからこそ、残された秘境であり、
チャンスがあるのでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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