今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第99回
見えない価値に気づく

他の国の株式市場を調べれば、自分の国と比較ができます。
1962年に日本に注目したテンプルトン氏は、
当時は日本では重要視されなかった株価収益率(PER)や
株価純資産倍率(PBR)などで米国と比較しその差に驚きました。
同じことは今のアジアでもあてはまるように思います。

経営や株式に関するデータはアジア諸国でも揃いつつあります。
証券会社のアナリストの中には
財務の専門家の資格を取った人も多くおられます。
企業レポートは、過去5年の主要な経営数値が比較できるように
推移がまとめてあることもあります。

テンプルトン氏は
日本の企業に膨大な含み資産が眠っていることに気づきました。
私も資産の評価方法に興味を持って
タイのある経済団体で、
こちらの土地の評価方法を質問してみたのですが
調査員のかたも詳しくはご存じでないようでした。
関連するデータや会計関連事務所の資料を当たってもらって
取得原価主義を採用し、
株主総会決議で土地の再評価が可能ということがわかりました。

大学のMBAコース(経営学の修士課程)に通う知人にも
会計制度のことを尋ねてみたのですが、
あまり詳しくはなく苦笑いをしていました。
いろいろ動いてみてわかったのは会計や経理に詳しい人は、
成長している国にはあまりいないようだということです。

タイの会計制度はというと、ちょっと専門的な話になりますが
日本のように、一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則と
整然とはまとめられてはおらず、過去の蓄積の上に直接に
国際会計基準(IAS)に沿ったような運用がされています。

急激に高学歴者が増え、学歴差が激しいタイの社会を考えますと
人々の経理に関しての知識は高くはないと想像はできます。
財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)は
四半期ごとの提出・公開が義務付けられており、
日本より厳しい開示制度なのですが
実は投資家はこれを活用できていないのが現状かと思います。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2003年9月25日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ