至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第131回
女のひとりごはん

大人の女たるもの
ときにはひとりで食事をすることだってあります。
けれど
しっかりとおいしいものを
ワインなんかもいただきながら
女ひとりで
ゆっくりしたいなぁ、となると
ちょうどいいお店は
これが簡単には見つからないのです。

映画を観るのも、カフェでお茶するのも
私は、まったく全然ひとりで問題なし。
カップル御用達でなければ
バーにだって行けますが
ひとりバーの条件(第13回参照)が難しいのと同じくらい
いや、もしかしたら
それよりもっと困るのが、夜ごはんです。

お酒の席ならひとり客も多いでしょうが
食事するとなると
どうしても寂しげに見えてしまうのが、ちょっと悔しい。
満席の日に
テーブルをひとりで一つ占領するのは気詰まりですし
少しは会話もしたい。
ってことは、カウンターがあるお店で
スタッフの人柄がいいお店。
ついでに言えば
日常の懐にちょうどいいお値段で、
大人な客層で
緊張がほどける小さな店がいい。
……ね、ハードル高いでしょ?

しかし私のまわりにいる女たちは
そういうお店を心底欲しがっていて、実際
1軒くらいはもっているようです。
で、みんなやっぱりカウンターに座ってる(笑)。

ある年下のOLさんは、
近所の自然食レストランで
1日の終わりに
栄養たっぷりの定食とオーガニックビールを1本飲むのが
ささやかな愉しみだと言い、
またある年配の女性社長は
青山の(高級)寿司屋に指定席がある、と言ってのけ、
そこだけは誰も連れて行ってくれませんでした。
そういえば、この前居酒屋で見かけた女性は
しめ鯖と冷酒を飲みながら
ひとりしみじみ、煙草を吸っていたっけ。

私の場合、ただひとつだけ困るのは
おいしいものを食べたとき、
これおいしいね!
と必ず、誰かに訴えたくなってしまうこと。
独り言っていうのもねぇ……。


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2004年6月21日(月)

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