至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第147回
スーパーカーからイタリア料理へ

イタリア料理店『カーサ・ヴェッキア』の
見崎シェフはクルマが好きで
もともと自動車関係の仕事に就きたいと
イタリアを目指したのだとか。
「僕、スーパーカーブームの世代なんですよ」
スーパーカー!
そういえば私の弟も、何が楽しいのか
カウンタックのエンジン音だけが鳴り響く
ソノシート(知ってます?)を何度も聴いていたっけ。
もしかして歳、近い? なんて思っていたら
「1967年生まれです」
またまた同い年。
私が親のすねをかじって浪人生活を始めた年に、
彼は同じ18歳で
ヴィザも取らずに単身イタリアへ渡ったのか……。

クルマ目的で始まった彼のイタリア生活でしたが
しかしいつの間にか
彼曰く「生きるために」始めたコックの仕事が
本業になってしまったのだとか。
南に仕事があると訊けば南へ
北の食材がおいしい時期には北へと
季節ごとに各地を転々として、
ナポリ、シチリア、サルデーニャ、
ローマ、ミラノ、フィレンツェ、ヴェネトにピエモンテetc。
で、7年。
私の知る限り、修業期間は1〜3年くらいが圧倒的なので
7年というのは長いほうだと思います。
しかも彼がイタリアへ渡った1985年は
まだ日本人コックが
今と比べれば、ほとんどイタリアにいなかった時代。
インターネットもなく、仲間もなく、
志をもって渡ったコックでも
その孤独感は大変なものだったと
訊いたことがありますが
でも見崎シェフの口から出てくるのは
なんだか、ものすごく楽しそうな話ばかりで……。
(帰りたくなかった、とも言っていました)

帰国後、2001年に
この『カーサ・ヴェッキア』を開店したのは
今や食いしん坊のたまり場と化した感のある
代々木上原ですが
でも、もともとは住宅街。
私が訪れた日のように、子ども連れの家族も来たりします。

オーナーシェフ・見崎英法さん、由香子さん夫妻が
この物件をたまたま見つけたとき
ここは居酒屋(美空ひばりのポスターなんかも
貼ってあったとか)でしたが、
しかしこの小さくて古いビルの佇まいに
どこか懐かしさを感じたのだと、由香子さんは言います。
二人が気に入ったこの場所は、今
アンティーク雑貨に囲まれ
心地よい音楽が流れる、12席のイタリアです。


■Casa Vecchia(カーサ・ヴェッキア )
東京都渋谷区上原1-34-10 TEL 03-3468-4280
URL http://www.casa-vecchia.jp/


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2004年7月13日(火)

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