第127回
魅力的な女性はこう言った

私より５つくらい年下の女友達とカフェで話をしていました。
彼女はまだ若いのに、向上心も強く、
何事からも物事を学ぶ力を持っており、
どんな人とでも積極的に接していって
しかもすぐに仲良しになってしまうという魅力の持ち主です。
それでいてお茶目なところがあるので、話をしていても、
とても楽しい気持ちになるのです。

そんな彼女と話していると、私はいつも驚かされます。
最近ようやく気づくことができた
自分自身の事や、考え方などを
彼女は今の時点でとっくに気づいているのです。
だから私の話すことをとてもよく理解してくれます。
彼女の意見を聞くことで、
こちらが逆に教えられてしまうという風です。

そんな時、私は５年前の自分と現在の彼女を比較してしまい、
「Ｈちゃんは偉いねえ！　わたしがその位の年の時なんて
　こういうこと考えたことさえなかったよ。
　もっとずっと子供だったし、はずかしい位キャピキャピと
　過ごしていたの。　若いのにホント感心！」　と言います。

すると彼女はこう言いました。
「チエコさん、そんな事ないです。年齢は関係ないですよ。
　仮にチエコさんが６０歳まで生きて、私が５０歳までしか
　生きられなかったとしたら、チエコさんと私には１０歳の
　年齢差があるんですよ。
　そう考えると、若さは人それぞれの寿命の中での問題です
　から人と比較するものではないですよ。」

単純に年の数だけで判断していたこと、
そして自分の年齢の比較で他人を判断していたことが
恥ずかしくなりました。
まさに穴があったら入りたいという気持ちになりました。
私はいつの間にか、人は年齢を重ねた分だけ
多くのことを学んでいるのだという考えに縛られていたのでした。
年齢を重ねることによって多くのことを学ぶというのは、
人それぞれの人生のスピードの中で積もっていくものであって、
『４０歳のＡさんが３０歳のＢさんよりも、
たくさんのことをを学んでいる。
それはＡさんがＢさんよりも１０歳年上だから。』
という話ではないのです。
学ぶスピードも人それぞれなのです。
ある人が２０歳の時に気づいた事を、
ある人は５０歳になってようやく気づくということがあっても
おかしくはないのです。
若い時に気づけたから偉いなどということではなくて、
結局それぞれの人生の中で大切な事に気づいて、学んで、
成長して満たされていけばいいのです。
大切なのは、自分の人生の中でいかに多くの事を学ぼうとし、
物事の本質に気づこうとするかどうかなのですね。