第133回
不自由な洋服屋
今日は久々に居心地の悪い思いを味わいました。
それは○I○I(丸井)に入っている
ある洋服屋さんでの出来事です。
年末年始が近づきコンサートやお食事会の予定が入っているので
一つ洋服を新調したいと思い、
丸井の中でも30代の私にとっては少しばかり抵抗のある
若い年代向けの洋服屋さんに立ち寄りました。
お店の中に一歩足を踏み入れた途端に
強い視線を体に感じたのですが、
ワンピースが見たかったのでそのまま奥へ行きました。
案の上、店員さんの接客攻撃にあいました。
ワンピースの袖に指先が触れた途端に、
店員さん「それボタンがすっごくかわいいでしょう?
今年これ凄い人気なんですよ〜う」
私はまだワンピースを正面から見てもいませんでした。
隣にペタリと張り付いた店員さんはすかさず
店員さん「ワンピースを探しているんですかあ?
普段ワンピースとか着るんですかあ?」
私 「いいえ、普段はあまり着ません。」
店員さん「えーっ、そうなんですかあ?
でもこの冬はちょっとワンピースできめようっ
とかしたりして?」
私 「これ少し丈が短いでしょうか?」
店員さん「大体私と同じ位の身長だから、これ位全然平気ですよ」
そのワンピースを見る気が失せた私は、
隣のラックにかかっていた肩紐のワンピースに目を留めました。
友達の結婚式に着ていくものが欲しかったところだったのです。
そのワンピースに手をかける寸前に
またもや店員さんは声をかけてきました。
思わず出しかけた手を引っ込めてしまいました。
店員さん「ねえ!それかっわいいでしょう?
実はあたしも同じの買っちゃったの。
これならパーティーもありだし、このリボンを首に
まいちゃったりしてもいいんですよ〜う」
私は質問をしました
私 「こんな風に肩紐で生地が薄いものを冬に着ても
大丈夫でしょうか?」
店員さん「へーきへーき。オールシーズンOK!
夏ならこれにサンダルとか履いてもいいし〜い」
まだ服を一枚も見ていないのはもちろん、試着すらしていないのに
言葉の弾丸攻撃にあい、ぐったり疲れて店を出ました。
私が店を出た途端、店員さんは、
すぐに側にいたほかの女性客に声をかけていました。
ここは自由に物が買える国のはずなのに、
洋服一つ満足に吟味できない不自由さを感じました。
店員さんがフレンドリーに話しかけてくる接客スタイルは
若い世代にはうけているのでしょうか。
私の気が小さすぎるのでしょうか。
こちらが適当にあしらえば済む話だというのでしょうか。
フレンドリーに話しかけてくるのはいいとしても、
商品をゆっくり見る自由を尊重して欲しいと思います。
高級なブティックならまだしも、普通のお店です。
こちらが聞きたいことに対してだけ応えてくれたら充分だと
思うのは私だけではないと思います。
ユニクロで買い物がしやすいのは、
低価格だとか品質だとかいう理由以外に
商品を自由に見られる心地よさがあると思います。
何回迷っても自由だし、何を見ても自由です。
だから気軽に何度でも立ち寄るのです。
お客さんを自由にするサービス(放っておいてくれること)を
もっと提供してくれる洋服屋さんが増えるのを願っています。
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