第158回
柔らかく生きる

その女性にあった時に、
「柔は剛を制す」という言葉を思い出しました。
その女性とは知り合いのあるご夫婦の奥さんです。
外見はかわいらしくて、しとやかな感じです。
物腰も柔らかくて、
旦那さんに対しても控えめで甘え上手でありながら、
実はしっかりと包み込んで支えているという強さが
感じ取られました。
とてもいい雰囲気のご夫婦です。

最近は、強い女性がますます活躍していますが、
彼女のように柔らかくしなやかに強い女性というより、
固くて圧力的な強い女性が目立つように思います。
柔らかな人は一見して目立たないからかもしれません。

固くて強いものは、その分もろく砕けやすいのです。
柔らかいものこそ、固いものを打ち砕き、
すこしづつ染み込んでいつのまにか固いものを砕いていくのです。
水をイメージするとよく分かると思います。
水は時に固い岩山やコンクリートの塊のビルさえ
破壊する威力を持っています。
逆にどんなに固い岩やコンクリートでも
水を破壊することはできないのです。
柔らかであると言うのは、水のように何もないようで
実は大きな力で大きな役目を果たしています。

特に女性は男性に比べると、
この柔らかでしなやかな強さを本来備えています。
静かでゆったりとしていて、無駄な力が入っていないのに
エネルギーに満ちているかのような柔らかな人。
そんな人に会ったときは、とても心地よくなり、
自分にもエネルギーが満ちてくるようないい気持ちになります。
固くて圧力的な強さを持った人に会った後は、
自分が弱くなったかのような気持ちになり、
何となくしょぼんとした気分になるのですぐに分かります。

「柔らかさ」と「軟らかさ」を間違えないようにご注意ください。
軟らかいとは、手ごたえのないフニャフニャな軟弱な人です。

もし今、身の周りで小さな衝突や
ギスギスした関係が生じているのであれば、
今一度自分の中の柔らかさを見つけ出し、
外に出していきましょう。　
きっと真に強くて素敵な女性へ近づくきっかけになることでしょう。