石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第16回
銀行はどこでも一等地にある

ニナガワ会計士に紹介していただいた休眠会社の払込資本金は、
貿易を前提として設定したらしくあまり大きくなかったので、
設備の買取代金については増資し、
それとは別に運転資金を銀行借入で賄うことを考えていました。
借入先候補である南海銀行台北支店は、
台北市の中心部、台北駅の向かいにある高層ビル、
「新光摩天楼」のなかに入っていました。

新光摩天楼は、地上51階、地下7階、高さ244.1メートルで
1993年12月に完成した、当時は台湾随一の高層ビルでしたが、
設計・施工は日本の熊谷組によるものでした。
ちなみに、昨年大晦日にオープンした
「台北国際金融センター(台北101、508メートル)」も、
施工は熊谷組などのJV、鉄骨工事は新日本製鐵JVが担当し、
建築の分野では、
まだまだ日本の技術が高く買われていることがうかがわれます。

日本の大都市の街並みは、スクラップアンドビルドを重ねた結果
統一感なく混沌としていますが、
台湾の街並みも、負けず劣らず雑然としていました。
台北駅前も、ランドマークである新光摩天楼のすぐ下には、
窓を鉄格子で封じ、
原色の背景に大きな漢字を用いた看板が道路にせり出した
黄土色のビルがひしめいており、かと思うとビルの向かい側、
地下にホームを移した台北駅の巨大な駅舎の周辺には、
がらんとした空き地(公園?)が広がっており、
間の抜けた風景を作り出していました。

何はともあれ一等地であることに変わりはなく、
「銀行というのはどこの国でも良い場所にあるのだなぁ」
と感じ入りつつ、ビルのエレベーターに乗りこんだものでした。

南海銀行では、
支店長代理のナカオさんが我々を出迎えてくれました。
我々が「台湾小倉科技」の設立経緯をご説明すると、
日本の窓口である南海銀行府中支店と連絡をとりあって
対応してくださることを約束してくださいました。


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