石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第49回
昔は日本人子弟のため、今は国際結婚家庭のため

あなたがもし海外に住むと決めたなら、
子どもは現地校に行かせますか?それとも日本に残しますか?

私の場合、かなり英語にコンプレックスを持っていたので、
台湾に移住した当初、
「子どもはアメリカンスクールに行かせられたらいいなぁ」
なんて夢のようなことを考えていたのですが、
台北のアメリカンスクールは、
教育熱心な台湾人の親たちのおかげで
入学審査を受けるだけでも相当待たされることがわかりました。
而してその優先順位は、
名前の通りアメリカ国籍が一番、外国籍が二番で、
台湾国籍を持つ子どもたちにとっては
殆どゼロといっていいほど就学のチャンスが無いのでした。
では、どうするかというと、
親がカナダ国籍を取得したり、
最初から計画的にアメリカで出産したり、
多額な寄付金にモノを言わせたりで、
入るまでだけでも相当なお金が要り用なのでした。

アメリカンスクールの対面にある日本人学校は、
昭和22年開校という歴史ある学校ですが、
他の国の日本人学校と同じく、
「その地域の在留邦人が
義務教育課程の子どもたちの教育を保障するため、
自主的な発意と熱意をもって設立し、
文部科学大臣の認定を受けるとともに、
外務省・文部科学省の予算措置を経て認可された」ものなのです。
よって台北の日本人学校の場合は、
日僑協会設立の私立学校ということになります。
私立なので、アメリカンスクールに比べれば微々たるものですが、
各家庭にも授業料の負担が求められます。
ただし、日本から派遣される先生方のお給料は
公費で賄われることになっています。

もともと在留日本人のためにできた台北日本人学校ですが、
近年は生徒数が減少しつつあるとのことです
(2004年は在籍数814名)。
一方で、国際結婚家庭が増加傾向にあり、
全体数に占める割合が30%を超えるまでになりました。
また、生徒数の減少を補うため、
台湾人にも条件付の就学許可がでているようです。
このように、一方的に日本人が海外に出て行くだけでなく、
海外で日本式の教育を受けて
日本との架け橋になってくれる若者が
将来でてくる可能性が生まれたことはよい傾向だと思います。


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2005年4月14日(木)

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