石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第52回
安かろう、悪かろうを選びますか?

あなたは、値段が安いなら
サービス(北京語で「服務(ふーうー)」)、の
良し悪しは関係ないと割り切れる方ですか、
それとも、良いサービスのためなら
少しぐらい値が張っても仕方がないと思うほうですか?

天津では残念ながら、
「値段が高かろうが安かろうが、
サービスにはほとんど期待できない」という印象を持ちましたが、
最後の夜に訪れた
「天津市粤唯鮮集團」の海鮮レストランだけは違いました。
我々が行ったのは旗艦店である「天津市華蘊博物館」でしたが、
「何で店の名前が博物館なの?」という疑問はすぐに解けました。

2001年に今の名称で発足した同社は、
「世界で唯一つの、食事のできる博物館」というコンセプトで、
租界風建築の瀟洒な店の中と言わず外と言わず、
西周から清朝に至る各時代の、
青銅器、銅器、木彫、石器、石仏像、
屏風、門扉、窓、家具、小物等
3,000件余りが展示されているとのことで、
一階は、展示物に囲まれるようにテーブルが配置されていました。
二階は個室に分かれていますが、
部屋のそれぞれにもたくさんの骨董が展示されているのでした。

我々が食事したのは2階の個室でしたが、
専属のサービス係(服務生)が一名付きました。
まだ学生アルバイトの彼でしたが、
お奨めメニューの紹介から、各展示物の説明、給仕まで
ほぼ完璧にこなしてくれました。
将来は旅行ガイドさんを目指しているとのことで、
一生懸命気を配っている様子に好感を覚えました。
食事の方は、台湾に比べれば安い値段で
美味しいものが食べられました。

対照的に、我々の泊まっているホテルは四ツ星でしたが、
スタッフの応対はあまりよくありませんでした。
何でも適えてくれる高級ホテルのコンシェルジェサービスを
既に知ってしまった我々にとって、
何をお願いしても、「在這裏没有(ここには無い)」で
済ましてしまうのには、がっかりしました。
ただ、粤唯鮮のような店が出てきたということは、
いよいよ天津の消費者も、
「サービス」に目覚めてきたことを示しているのかも知れません。


←前回記事へ

2005年4月19日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ