石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第79回
会社再建請負人、という生き方

ルイス・ガースナー氏、カルロス・ゴーン氏、原田永幸氏、
この3人に共通することは何だと思いますか?

そうです、
いずれも畑違いの分野から、
屋台骨がぐらついた嘗ての名門会社に乗り込み
見事再生を果たした経営者の方々です。
ガースナー氏はRJRナビスコからIBMに、
ゴーン氏はミシュランからルノーを経て日産に、
原田氏は日本アップルから日本マクドナルドへ転身し、
それぞれの会社の業績を復活させています。

日本においては、
特にカルロス・ゴーン氏の知名度が高いと思いますが、
彼の「コミットメント(経営目標)」が極めて明快で解りやすく、
実行を伴っていたために、日本人にとっては従来
「最上階に部屋のあるお偉いさん」という印象に過ぎなかった
社長の存在、あるいは会社経営というものが、
非常に身近に語られるようになった気がします。

海外では、企業再建に特化した人のことを
”turnaround specialist”と呼んでいます。
先日ウォールストリートジャーナルに
米バーガー・キングのGreg Brenneman社長の記事が載っていました。
彼もまた、米コンチネンタル航空、
会計士事務所プライスウォーターハウスクーパースの
コンサルティング部門を再生した実績を買われて、
昨年同社社長に就任したのでした。

「あなたは(もともと)企業の再建屋になりたかったんですか?」
という記者の質問に対し、
「(笑いながら、)そうじゃありません。
社員一人一人の価値を認め、分かり合い、チームとして働く。
会社が家族になる。
(そのプロセスに)没頭していただけのことです」
と答えていました。

記事を読んだ限りでは、彼のしていることも
上の社長さんたちと本質的には変わらないのですが、
「会社が家族になる」という言葉が印象に残りました。
成果主義賃金の是非に代表されるような、
「欧米式経営は○○、日本式経営は××」
というステレオタイプ式の解釈でなく、
原則に基づく経営を、常に考えていきたいと思います。


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2005年5月26日(木)

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