石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第81回
MBA(経営学修士)もアジアで職探し

ビジネスマンにとってのエリートコース、
「アメリカのビジネススクールを卒業して、
シリコンバレーのドットコム企業に就職...」、
という黄金のルートに変化の兆しが現れているそうです。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)の
5/10付け記事から紹介します。

アメリカの7大ビジネススクールが毎春開く
海外(アジア)向け就職フェアで、
昨年は26の求人に212の応募者だったのが、
今年は48の求人に337まで応募者が増えたそうです。
最も人気がある場所はやはり中国ですが、
インドやシンガポールも注目されているようです。
求人元は投資銀行、コンサルティング会社、
それに消費財やエレクトロニクス製品等を扱う多国籍企業です。
ただし、いくらMBAホルダーだからといって、
コテコテのアメリカ人が
アジアで職を得るのはそんなに簡単ではないようです。

ひとつには言語の問題。
英語しか話せない場合、面接の初期段階で早々と脱落してしまう、
とのことです(!)。
また、アジアのMBA
(母国で取得、あるいはアメリカで取って帰国)たちとの
競争が激しくなっています。
外国籍の学生たちは911以降
アメリカに職を得ることが難しくなったので、
帰国するより仕方ない学生も多いのです。
さらに給料の問題、投資銀行やコンサル会社は別として、
多国籍企業は現地採用に重点を移し、
「ローカル社員」扱いで採用された場合、
アメリカでの給料の半分くらいになってしまいます。
そこで、本国アメリカで何年か働いてハクを付け、
「エキスパット(駐在員)」扱いで
よりよい条件を引き出してからアジアへ、
と考える学生も多いようです。

このようなハードルにもめげず、
アジアに向かう学生の数は増え続けているのはなぜか?
それは、彼らが
成長著しいアジアで働くことが面白そうだと思っていること、
アメリカの会社にとって
重要度が増している土地で経験を積むことが、
キャリア上将来にプラスと信じていること、
さらには根っからの企業家として、
新ビジネスをゼロから立ち上げ
一気にお金を稼いで地位を上げたいと狙っているからです。
ぼやぼやしていると、寝首をかかれそうですね。


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2005年5月30日(月)

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