石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第82回
中国語 たかが道具されど道具

採用するなら、仕事はデキルけれども外国語が話せない人と、
仕事はイマイチだが外国語はバッチリの人、
あなたはどちらを選びますか?
え?仕事もできて外国語もペラペラの人がいい?
そんな人は滅多にいませんよ、あなたも欲張りな人ですね。

オグラ技研で上司だったコスゲさんは米国駐在が長かった人ですが、
彼は、もし採用するなら前者のタイプを選ぶことを
強力に主張していました。
いくら言葉が達者でも、
仕事のポイントが判っていなければ役に立たない、
むしろしっかりとした通訳を間に入れた方が良いというのです。

私も当時彼の主張は尤もだと思っていたのですが、
台湾の会社に来てから、
「それも時と場合によるなぁ」と思うようになってきました。

買収案件などの大きな仕事であればともかく、
日々の仕事やお客様対応に
いちいち通訳を入れるわけには行きません。
台湾のお客様の場合、例えばアメリカのサプライヤーより
我々の会社と台湾人同士でやり取りした方が、
言葉や時差の問題が無いのもあって
サポートも速く付き合いやすい、
と言ってくださる方々も多いです。

一方で、設計などの細部を詰めるような場合は、
言葉よりもセンスがものを言う場合もままあります。
たとえばメカ設計の図面など見れば、
どの程度の技術レベルなのか一目瞭然です。
さらに、設計思想の違いなどは言葉そのものだけでなく、
むしろ文化や歴史に依存するような大きな問題になってしまいます。

このように考えてくると、冒頭のようなほぼあり得ない
「仕事デキル、外国語ペラペラ」の人待望論に
陥ってしまいがちですが、
ひょっとしたらこれからの日僑に求められているのは
このような能力なのかも知れません。
最近、会社の同僚から殆どの場合直接北京語で話しかけられ、
一日が終わるとぐったりと疲れてしまいますが、
お互い、言っていることが前よりよくわかるようになった気がする
今日この頃です。


←前回記事へ

2005年5月31日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ