石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第149回
溝通(ごうとん)的問題

溝通(ごうとん)、というのは、
中国語で「コミュニケーション」という意味です。
この4年あまり、このことに悩まされ続けてきました。
今も続いています。

会社の使命、将来のありたい姿、
価値観、将来のための戦略を文章にして、
毎年の予算編成時に配っています。
毎月の業績は皆に知らせますが、
そのときにこのリーフレットを持参してもらい、
大事だと思うことを話します。
大概は価値観の話しになります。
当社では今まで、3つの価値観を定めて来ました、
一つは「誠実」であること、
二つ目は「責任感」、
三つ目は、「積極的柔軟性(とにかくトライしてみる)」
です。
最近、四つ目として、「団体精神(チームワーク)」を加えました。
ミーティングでは、
この言葉の定義と、なぜこれが大事だと思うのか説明します。
みんな「ふんふん」と聞いています(わかってくれたかな・・・)。

ところが、実際の現場では、
「これって違うんじゃない?」ということが起こります。
自分にとっても価値観との相克に悩むことがあります。
でもここが踏ん張りどころです。
言行一致がなければ、言葉の遊びになってしまいます。
ところで、この「団体精神」、
中国人(台湾人)に向いているのか?
日本人は会社のことを考える(または考えていた)が、
中国人は相対的に個人主義なんだから、ムリなんじゃないの・・・
悩みは尽きません。

では、周りの環境が変われば、価値観も変わるのか?
例えば、チーム目標をつくって
これをクリアしたらボーナスをあげる、とか。
こうなると実験です、試行錯誤です。
なぜ、チームワークが大切なのか、
どうしてこういう目標をつくるのか・・・。
逐一説明しなければなりません。
説明してもわかってくれるのか・・・?
異を唱える社員をどうするか。
「日本人の考え方と台湾人の考え方は違うんですよ」、
「5Sは日本でしか効果は上がりません」。
排除するのか、わかってもらえるまで、説得し続けるのか、
こちらが妥協するのか・・・。

「価値観は、譲らない」これが今のところ、私の結論です。


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2005年9月1日(木)

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