服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第23回
アイロンがけの秘密兵器

「まんじゅう」というのがあるのをご存じですか。
いえ、食べるほうのまんじゅうではなくて、
アイロン台として使うほうの「まんじゅう」。
白くて丸いアイロン台で、まんじゅうの形に似ているところから
その名前があります。

服の丸味がある部分にアイロンをかける時に
重宝するものです。
袖の部分にはそれ専門の「袖まんじゅう」があります。
しかしそのどちらもプロ専用で、
一般家庭ではまず用意していないでしょう。
アイロン台の隅などを利用して
なんとか仕上げるのがふつうだと思います。
しかしそれでも細かい所のアイロンがけはなかなか難しい。
たとえば上着の袖の付け根あたり。
つまり肩から袖へとつづく部分の小さなシワは
なかなかうまくアイロンがあてられません。

そこで役立つ秘密兵器をお教えしましょう。
もっともそれほど特殊なものではありません。
キッチン・グローブ。熱い皿やオーブンを使う時の、
耐熱を目的とした台所用の手袋がありますね。あれです。
奥様から借りてもいいし、新たに買ったとしても
それほどの散財とはならないでしょう。
しっかりと厚手で、なるべく長いほうをおすすめします。

このキッチン・グローブを左手にはめて、
その手を上着の下から差し入れます。
そしてその状態でアイロンをかけていけば、
かなり難しい場所であっても
楽々とシワを伸ばすことができます。
もちろんアイロンの設定温度は「ウール」にし、
当て布をすることを忘れてはなりません。
あらかじめ霧吹きをするも良し、スチームにするも良し。

キッチン・グローブをタテにふたつ折りにして、
袖の中に入れたなら、
即席の「袖まんじゅう」としても使えるでしょう。
こうすれば袖に折目をつけることなく、
全体のシワをとることが出来るでしょう。
ぜひ一度試してみて下さい。


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