服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第33回
服と一緒に風呂に入る方法

小旅行の時、もう一着上着があったならなあ、と誰しも思います。
しかし鞄に詰めることやシワになることを考えて、
ついつい諦めたりすることもあるでしょう。

鞄に入れてシワにならない方法は、上着を畳まないことです。
もし大きなスーツケースなら、上着をそのまま寝かせて、
肩や袖にクッション材を入れておけば
ほとんどシワにはなりません。
けれどもこれでは大荷物になってしまいます。

次善の策は、片畳み。
片畳みは比較的シワにならない方法ですから覚えておいて下さい。
まず左右の手を上着の両肩の中に入れます。
次に左右の両肩をつき合わせる。
つまり上着をタテに二つ折りにするわけです。
この後、左肩を裏返してその中に右肩を重ね入れる。
当然、右部分は左部分の中に入り、
左部分は完全に裏返ってしまう。
この細長くなってしまった上着を二つ、または三つに畳む。
実際にやってみればごく簡単で、
しかもかなりシワになりにくい畳み方なのです。

それでもなお、鞄から出した上着のシワが
気になることがあります。
ホテルに着いてからプレスに頼むことも可能です。
けれども自分で工夫する方法もあるのです。
まず最初にすることはバスタブに熱い湯を張ること。
次にプラスチック製のハンガーに問題の上着を掛け、
密室状のバスルームに吊るす。
どんなにシワになっていても、数時間で完全に元通りになります。
あとはごく普通に自然乾燥させたなら、大丈夫です。

場合によっては夜、自分が風呂に入った後、
湯を抜かないで上着を吊しておくこともあるでしょう。
朝、起きた時にはすっかりシワが伸びているという寸法です。
この場合、すぐに袖を通すには、
やや湿気が気になるかも知れません。
よくブラシをかけて水滴などを落とし、
あとはヘア・ドライヤーで数分間乾してあげると、
まず問題はありません。
おしゃれとは服への愛情と知恵の問題なのですよ。


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