服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第42回
マフラーでハンサムになる法

カシミアのマフラーを一枚持っていますか。
いや、必ずしもカシミアである必要はなく、
ウールのマフラーでも結構です。
では、なぜカシミアが好まれるのか。
まず第一に肌ざわりが良いからです。
ウールに較べてはるかに繊細が細く、長い。
肌ざわりが良いだけでなく、たくさん空気を含んでくれる。
これがカシミアの保温性の秘密なのです。
つまり上質のカシミアほど繊維が細く、
したがって温いということになります。

マフラーといえば誰しもコートを思い浮べるでしょう。
背広の上にマフラーを巻き、その上からコートを羽織る。
首元から暖い空気が逃げないので、その分だけ温い。
でも、マフラーはなにもコートの小道具とだけ
決めてかかることはありません。
せっかく上質のマフラーを持っているのでしたら、
大いに活用しようではありませんか。

たとえばVネック・スェーターとマフラー。
スポーツ・シャツの上にスェーターを重ねる。
その首元にマフラーを巻く。
スポーツ・シャツの上で一重(ひとえ)結びにして、
スカーフのように首元に拡げておけば良いわけです。
スェーターだけよりもはるかに温く、
しかもおしゃれな感じになりますよ。

あるいはジャケットの下にマフラーを重ねることもできます。
シャツの前で軽く重ね、重ねた両端はパンツの中に入れる。
こうすると一枚のマフラーが
まるでチョッキのような効果を発揮してくれるのです。
もちろんこの場合、上着の色とのコントラストが生まれるよう、
やや大胆で、明るい色にすることをおすすめします。

マフラーを膝の上に置けば、膝掛けになり、
その下に手を入れると、手袋代り。
そして写真を写してもらう時には、
ちょっとしたレフ板(反射板)にもなってくれるでしょう。
白やオフ・ホワイト、渋いイエローなどなら文句なし。
たぶんいつもよりずっと明るく、
ハンサムな表情に撮ってもらえることでしょう。


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2002年11月4日(月)

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