服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第98回
内緒にしておきたい褌の話

突然ですがふんどしを着けたことがありますか。
漢字で書くと、褌です。
私はふんどしを着けたことがあります。
というよりも着物を着るときの下着はたいてい、ふんどし。
少しおおげさな言い方をするなら、
着物を着る快感の第一歩はふんどしの心地良さにある、
とさえ思っているほどです。

ふんどしは大きく分けて3種類あります。
もっこ褌、六尺褌、そして越中褌。
いちばん短くてタイトなのが、もっこ褌。
逆にその名の通り長い帯を股間に結ぶのが、六尺褌。
そのどちらもたいへん威勢の良いふんどしです。

でも私が愛用もし、皆さんにもおすすめしたいのが、
越中ふんどし。
あらゆるふんどしのなかでも
もっともエレガント(?)なスタイルだと思います。
ブリーフやトランクスとくらべても
なかなか完成度の高い下着なのです。
窮屈すぎず、しかも安定感に優れているのが長所でしょう。

少し乱暴な表現をするなら、
和式手拭の一端に紐を付けたかたちが越中ふんどしです。
ということは、自分でも簡単に作れてしまうのです。
まず、さらし木綿を一反買います。
和装店でも売っていますし、一反買っても安いもの。
俗に「さらし」と言います。
「さらし」と言えばさらし木綿のこと。

適当な長さ(約90センチ)に切り、
端をまつり、紐をつけるだけ。
これで越中ふんどしの完成。
下着のことですから一枚といわず、
何枚か用意しておくと良いでしょう。
まず最初、布を腰の後に垂らして、
紐を横、または前で結びます。
その後、布を股をくぐらせて
紐に通して前に垂らしておくだけです。
しかしこれが実に快適なんです。

さらしはそれでもまだ余るでしょう。
これは腹帯としても使えます。
下着を着ける前に、腹を中心に巻きつけ、
端は強く腹帯の中に押しこんでおく。
腹帯を着けてからふんどしをはじめとする下着を着ける。
これは実は角帯がゆるまず安定させるための
コツでもあるのです。


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2002年12月30日(月)

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