服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第106回
魔法のドレス・トラウザ―ズ

縞ズボンを穿いたことがありますか。
俗に「コール・ズボン」とも言いますが、
これはまったくの和製語です。
あえて英語で呼ぶなら単に
“ストライプド・トラウザーズ”となります。
モーニング・コートを着たときの
下の縞ズボンといえば分りやすいでしょうか。
白と黒の織り柄で、
タテ縞が表現されたトラウザーズのことです。

でもこの縞ズボンはなにも
モーニング・コートの場合だけとは限らないのです。
ときに「ディレクターズ・スーツ」と呼ばれて、
黒い上着にも着用することはご存じの通りです。
手持ちの黒いジャケットと
ストライプド・トラウザーズを組合わせて、
昼間のドレス・アップにすることも可能でしょう。

むかしは黒い上着といえば
たいていシングルの1つボタンと決っていたのですが、
今ではもっと自由に考えるべきでしょう。
軽く、しなやかなシングル3つボタンのジャケットに
縞ズボンというのもなかなか面白いものです。
さらに一歩すすめて、黒無地ではなく、
ダーク・グレーのジャケットに
ストライプド・トラウザーズを合わせても
良いのではないでしょうか。
いずれにしても縞ズボンをはじめとする
ドレス・トラウザーズを上手に使って、
気軽な略礼装を楽しもうではありませんか。

白のドレス・シャツに古典柄のネクタイを結んで、
もっと自由なセミ・フォーマル・ウェアがあっても良いでしょう。

もちろん縞ズボンを使わないドレス・アップの方法もあります。
白、もしくはオフ・ホワイトのパンツを組合わせる。
この場合の素材としてはフラノ地などが最適です。
黒い、無地のジャケットに、白いパンツを合わせてみる。
これも新しいセミ・フォーマルの新しいスタイルでしょう。
素材の使い方によっては昼間だけと限らず、
夜間の略礼装にもなります。

ドレス・トラウザーズは必ずサスペンダーと
チョッキを使うようにしたいものです。


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2003年1月7日(火)

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