服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第124回
キルティング・ジャケットを着こなす

ハスキー・ジャケットというものを知っていますか。
husky jacketと綴ります。
一言で説明するならキルティング・ジャケットのことで、
事実たいていの人たちが
「キルティング・ジャケット」と呼んでいます。
でも正しくは“ハスキー・ジャケット”です。

“ハスキー”huskyには「殻の」といった意味があります。
ハスキー・ジャケットは1960年に考案された、
比較的新しい上着なのです。
考案したのはスティーヴン・ガイラスという
ハンガリー系アメリカ人です。
S・ガイラスはもと軍人で、大佐の位で退役します。
その後、イギリスのサフォーク州に移り住むのです。
そこで狩猟を趣味として生活を送る。

S・ガイラスは軽くて、暖いハンティング・ウェアとして、
最初キルティング・ヴェストを考案する。
これは具合が良いというので
次にキルティング・ジャケットを作ってみる。
この新しいジャケットは狩猟仲間たちにも人気となり、
やがて製品化されることになったわけです。
これが今日の“ハスキー・ジャケット”なのです。

その意味ではハスキー・ジャケットもまた広く
カントリー・ジャケットの一種と言えるかも知れません。
今の都会生活なら、さらにコートを重ねる必要がないのは
ハスキー・ジャケットの有利な点でしょう。

ブルゾンに近いものから、ジャケット・タイプ、
さらにはショート・コートとしても使えそうなものまで
さまざまな種類が出ていることはご存知の通りです。
でも、私としてはジャケット・スタイルが
やはり一番応用範囲が広いだろうと考えています。

替上着のようにVゾーンをはっきりと作って
着こなしてみましょう。
タートル・ネック・スェーターを合わせるのも良いでしょう。
また、ウール調のスポーツ・シャツにニット・タイなどを結んで、
ちょっとドレス・アップするのも
面白い味わいが生まれるものです。


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2003年1月25日(土)

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