服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第132回
マフラーと友達になる方法

マフラーの巻き方を何通りくらい知っていますか。
今、マフラーは大きく2種類に分けられるでしょう。
アクセサリーとしてのマフラー、
そして実用的な防寒具としてのマフラー。
ここでのマフラーは後者を指しています。
ざっと長さにして150cm前後、幅にして30cm前後。
たいていはこれをタテに2つ折りにして
首に巻くわけです。
マフラーの語源は“マフ”muffだと言われています。
マフはその昔、貴人たちが手を温めるのに使った
筒状の毛皮のアクセサリーのことです。
18世紀には男女の区別なく
これを手袋代りにすることが粋なこととされたわけです。

今は男がマフを使えるほど優雅な時代ではありませんが、
マフラーは堂々と使えます。
いや、これほど身近な防寒具もちょっと他にはないでしょう。
コートの下、上着の胸もとでマフラーを軽く交差させる。
多くの人たちがこのような使い方を
しているのではないでしょうか。

でも防寒に主眼をおくなら、
しっかり首を包むほうが有利です。
一度首に巻いて、前で一重(ひとえ)結びにする。
これがもっとも古典的でしょう。
あるいはもっとも簡単な方法としては
2つ折りにしてループ作り、
その輪の中に一端を通すやり方があります。
または首に直接、ネクタイの一重(ひとえ)結び
(プレーン・ノット)にしてしまう方法もあります。
さらにはマフラーの中心を
首の前に合わせてから後で交差させ、
再び前で簡単に結ぶ方法なども考えられでしょう。

以上は一例ですが、
首をしっかりと包むという意味ではかなり有効です。
要は首もとから寒風が入り込まないように
あしらうべきなのです。
また視覚的な効果も考えること。
当り前のことですが、赤やワインやピンクといった
暖色系の方が心理的な保温効果があります。
色や素材、あるいは結び方を楽しみながら、
マフラーともっと友達になりましょう。


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2003年2月2日(日)

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