服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第160回
3着のスーツをどのように着こなすか

フレッシュマンのビジネス・スーツは、
最低何着必要だと思いますか。
たしかにこれは難しい問題です。
それぞれの人物や職場によって、
スーツの疲労度が違ってくるからです。
さらに乱暴な言い方をすれば、
「多ければ多いほど良い」という結論にもなってくるでしょう。

でも私としては最低3着必要だと考えています。
ベイシックなビジネス・スーツが3着あれば、
とりあえず新人にふさわしい働きができるでしょう。

この3着のスーツは、いったいどのようなものを選ぶべきか。
それはもう繰返しお話しているように、
ベイシック・スーツであります。もちろん、ダーク・スーツ。
そしてここにもうひとつ、つけ加えて頂きたいのが、
無地のスーツということです。
場合によってはチョーク・ストライプやグレン・チェックの
ベイシック・スーツということもあるでしょう。
けれどもそれは5着目6着目のスーツとして選ぶべきでしょう。
最初の3着のスーツはグレーであれブルーであれ、
無地がよろしい。

ここでは3着のスーツを、A、B、Cとしましょう。
月曜、火曜、水曜とA、B、Cの順に着る。
けっして同じスーツを続けて着てはいけません。
するとAのスーツは木曜にもう一度着ることになりますが、
2日間休養できます。この2日の休みは大きい。
良質のウール地なら、シワなども含めて
かなり元通りに回復することがあります。
もちろん休みの期間は長いほど良いのです。

さて、問題は金曜です。
もしオフィス環境のなかで不自然でなければ、
スーツの上着に、まったく別のパンツを組合わせる。
つまりブレザー感覚で着こなすわけです。
なぜなら上着よりもパンツのほうが疲労度が高いので、
なるべく多く休ませてやりたいのです。

「無地のスーツを」と言った理由はここにあります。
無地なら上着だけでも組合わせが可能になるからです。


←前回記事へ

2003年3月2日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ