服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第161回
金曜日にはブレザーを着よう

金曜日のビジネス・ウェアはどうあるべきだと思いますか。
金曜日であろうとなかろうと、
ビジネス・ウェアにかわりがあるはずがない、
という意見もあるでしょう。
またその一方で、ビジネスの場にも
ウィークエンドという発想があって良い、
という考え方もあるでしょうね。

私は後者の考え方を支持します。
まず時代そのものがカジュアルなほうへと動いているので、
その流れに抵抗するのはムダというものでしょう。
第二に、一週間のビジネスの場に
少しでもメリハリをつけるのは、
仕事の効率にとっても有利だと思われるからです。
つまり金曜のビジネス・ウェアに限っては、
多少カジュアルでも良い、と。

ただしここで気をつけなければならないのは、
オフィスの雰囲気です。
常に固い雰囲気のオフィスで、
フレッシュマンひとりが金曜日に
カジュアルな装いをすることは当然、目立つ。
ビジネス・スーツの原則がベイシックということであってみれば、
これはむしろ逆効果でしょう。
職場の気分を尊重するのも大切なことです。

さて、オフィスの環境などと考えあわせて、
問題がないのなら、
私はフレッシュマンにブレザーをおすすめしたい。
金曜日にはブレザーで出社する。
もちろんシャツにタイを結んで、
たとえば紺のブレザーにグレーのパンツを合わせる。
月曜から木曜まで懸命に働いて、
金曜日にはまたフレッシュな気分で
仕事に向えるのではないでしょうか。

ところで最低3着のスーツが必要だと言いました。
もし仮に4着のスーツを持っている、と仮定しましょう。
すると月曜から木曜までその4着のスーツを着る。
そして金曜にはブレザーを着る。
その結果、1着のスーツは一週間に一日の出社ですむ。
約一週間の休息が可能になるわけです。
当然、スーツの状態がより良く保て、
手入れもかなり楽になります。金曜日にはブレザーを。
これはちゃんと理由があるのです。


←前回記事へ

2003年3月3日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ