服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第162回
ネクタイは一種類で充分です

フレッシュマンには
どんなネクタイがふさわしいと思いますか。
このところ何度も繰返して、
ベイシック・スーツの大切さについてお話をしています。
当然、ネクタイもベイシック(基本的な)ものを、
ということになります。

ごく単純に考えてベイシックなネクタイとは
古典柄ということになるでしょう。
無地、水玉、ストライプ、チェック、ペイズリー、
ブロック・プリント・・・などがその一例です。

表現を変えるなら、
きちんと人に説明できる柄であること。
仮に「それは何という名前の柄ですか?」と問われた時、
「さあ、なんていうんでしょう」というのでは困ります。
むろんふつうそんな質問があるはずもありませんが、
心構えとしてはそうあるべきでしょう。

しかしここでの「ベイシック」には
もうひとつの意味があります。
「私のベイシックなネクタイ」という考え方です。
たとえばストライプのネクタイこそ、
私のベイシックだと考える。
代表的なストライプとしては
レジメンタル・ストライプがありますが、
フレッシュマンには最適でしょう。
常に、私はレジメンタル・ストライプのタイを締める、
と心のなかで決めてしまう。

ベイシックなスーツにベイシックなシャツ。
そしていつも自分のレジメンタル・ストライプのタイを結ぶ。
―こうすることで自分自身のビジネス・スタイルが
確立されてゆくはずです。
自分のテーマにもなり、イメージ・メイキングにもなります。
上司からも「いつも縞のネクタイを締めている男」
として記憶されるかも知れません。

自分だけのベイシック・ネクタイを決めてしまえ、
ということなのです。
そうなるとネクタイ選びにも困りません。
あるいは他人がプレゼントを考える時にも、
贈りやすいということもあるでしょう。
そしていつもレジメンタルのネクタイを締めていると、
もっとそれが完全に似合うようにもなるのです。


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2003年3月4日(火)

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