服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第173回
フレッシュマンはなにを履くべきか

フレッシュマンにふさわしい靴は
どんなものだと思いますか。
靴屋の店先をのぞいていみると、まさに百花繚乱、
一足を選ぶのに困ってしまうほどです。
でも私としては
黒のオックスフォード・シューズをおすすめします。

オックスフォード・シューズというのは、
紐結びの総称なのです。
このなかには大きく二つに分けて、
バルモーラル・タイプと
ブルーチャー・タイプとがあります。
でも、これは難しい話をしているのではなくて、
ふだん我われがよく目にしている、ごく普通の靴なのです。

紐結びの形式がどうなっているかで、
そのスタイルと呼び名が変ってくるのです。
靴の甲から続いて、
ごく狭い間隔で靴紐を通すスタイルが、バルモーラル。
一方、靴の甲の上に乗るようなかたちで、
やや広い間隔で靴紐を通すスタイルが、ブルーチャー。
どちらかといえば後者のブルーチャーのほうが
スポーティーな感じがします。
日本語ではそれぞれ
「内羽根型」と「外羽根型」と呼ぶことがあります。

同じオックスフォード・シューズであっても、
甲のデザインによって数多くの種類があることは
言うまでもありません。
でも私としては、プレーン・トウ、
ストレート・チップ、ウイング・チップの
三つのなかから選んでもらいたいと思います。

プレーン・トウは無飾りの甲で、
ただ一枚の革で仕上げられているデザイン。
ストレート・チップは「一文字型」。
甲のほぼ中央に横一文字の切替えのあるデザイン。
ウイング・チップはこの甲の切替えが
鳥の羽根のような曲線を描いているもの。
俗に「オカメ」と呼ばれることがあります。
このウイング・チップに、小さな穴飾りをあしらったものが、
ブローグ・シューズです。

とにかくフレッシュマンには、
黒のオックスフォード・シューズ。
つまり茶の靴は必要ないのです。
ブルー系やグレー系のスーツなら、
どちらも黒のシューズがふさわしいからです。


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2003年3月15日(土)

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