服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第172回
100年も200年も使いたい腕時計

フレッシュマンにはどんな腕時計がふわさしいと思いますか。
私の考える理想の腕時計は、父親のセコハン時計です。
つまり昔、お父さんが使っていて、
今はもう使っていない時計を譲り受けるわけです。
もし、うまい具合にそんな時計があればの話ですが。

実は腕時計、我われが考えているよりも
はるかに永保ちするものなのです。
親から子へ、子から孫へと使いつづけることは可能でしょう。
ただし機械ですから、手入れは必要ですが。
またバンドなどの付属品を交換することは常識でしょう。

外側の金属部分、
あるいは風防ガラスなども最研磨することで、
ほとんど新品状態にきれいになります。
もちろん風防ガラスに深いキズが入っているような場合には
交換することをおすすめします。
文字盤などはどうしても
使っているうちに変色して汚れてしまう。
これもある程度は修復可能。
もしそれでもだめなら、文字盤自体を交換することも可能です。

もちろん以上すべての修理は、
専門の技術者に任せるべきで、
当然それぞれの修理料金が必要です。
けれども新しく時計を買うことを考えれば、
やってみるだけの価値はあるでしょう。
仮に同程度の金額であっても、
今の新しい時計よりも、
昔の時計のほうが風格があるように思うのは
私だけでしょうか。
それに父親の思いが詰っていますからね。

けれども誰もが父親のセコハン時計を
入手できるとは限りません。
その場合には、まるで父親のセコハン時計のような一本を
探せば良いわけです。
古い時計屋でデッド・ストックを探す方法もあるでしょう。
あるいは最近では古い年代物の時計を専門に扱う店が
ふえていることはご存じの通りです。

もしも新しく時計を買う場合にも、
一見懐かしいような、クラシックなスタイルを探すべきです。
もちろん機械式時計のほうが良いでしょう。
40年、50年と使った後で、息子に譲ったら、
きっと喜ばれるでしょう。


←前回記事へ

2003年3月14日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ