服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第196回
おしゃれな文庫本の読み方

おしゃれな文庫本の読み方を知っていますか。
文庫本は軽くてかさばらず、
どこにでも連れて行ける点でいいですね。

本屋で文庫本を買う。
するとたいてい本屋専用のカバーをかけてくる。
「カバーをかけますか?」と聞いてくれることもあります。
たしかに文庫本自体を汚さない点では
カバーが必要なのかもしれません。
でも、文庫本自体に美しいカバーがあるのですから、
なんだか屋上屋を重ねているような気持になります。
第一、文庫本に最初から付いているカバーのほうが
きれいではありませんか。

これはたぶんリサイクルということと
関係があるのかも知れません。
読み終えた文庫本をもう一度、売るのか売らないのか。
私は文庫本であっても
読んだ後で売ろうと考えたことはありません。
自然に汚れるのは仕方のないことだと思います。

たとえば電車のなかで、
自分が何を読んでいるのか知られたくない、
という気持は分らないでもありません。
(私自身はまったく平気ですが)
つまりひとつの方法は、
本屋で売られている状態で、そのまま読む。

そしてもうひとつの方法は、カバーを裏返しにする。
もしオビが付いている場合は、
オビをきちんと畳んで、しおり代りに使う。
美しく印刷されたカバーを裏返しにするわけですから、
まっ白いカバーになる。
これなら何の本だか分りませんし、
カバー自体が汚れることもありません。
そしてさらには、本屋もカバーも要らないわけですから、
資源の節約にもなるでしょう。

あるいは自分専用の革カバーを使う方法もあります。
これは大きな文房具店などで売っているのを
見たことがあるはずです。
色は黒や茶で、文庫本の上から
簡単にかけることができるようになっています。
なんだか自分だけの文庫本といった感じになります。
読み終った後でも、ほとんど汚れていないはずです。
文庫本一冊でもステキか、ステキでないか
考えること自体がおしゃれな心なのです。


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2003年4月7日(月)

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