服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第202回
美しい携帯電話の使い方

携帯電話をお持ちですか。
あるいはこう言い換えるべきかも知れません。
携帯電話はいくつお持ちですか。
携帯電話は本当に便利ですね。
いつ、どこに居ても、誰とでも連絡がとれるのですから。
ここま普及するのも当然のことでしょう。

でも、便利の裏側には必ず節度が必要になります。
ちょうど権利と義務が背中あわせであるように。
今、携帯電話は名刺や、鍵や、ボールペンのように
身近な存在になっています。
ということは、この身近な道具をいかに上手に、
いかに美しく使うかというのも、
当然考えるべきでしょう。

コンサート会場や劇場などでは必ずオフの状態にしておく。
これはもう常識でしょう。
でもレストランではどうなのでしょう。
これはそれぞれ個人の判断にゆだねられているようです。

たとえば気持の良い、静かなレストランで
親しい友人とふたりで
ディナーを楽しんでいるとしましょう。
そこに携帯電話が鳴る。
もし、そこで電話での会話がはじまったとすれば、
相手は困ってしまうでしょう。
なんだか電話と食事しているような気分に
なるのではないでしょうか。
私としては食事の時間はゆっくり楽しみたいので、
オフにしたいと思います。

つまり大切なことは時と場所を考えることです。
携帯電話がふさわしい場合と、
そうでない場合を上手に使い分けましょう。

もうひとつ大切なことは、ささやくことです。
携帯電話の仕組がどうなっているのか、私は知りません。
が、勝手に電子の力だと思っています。
室内であろうと室外であろうと、
静かな、ささやくような声でも充分会話が可能なのです。
どんな場合でも、大声で叫ぶことは、
美しいとは言えないことを知っておきましょう。
街中で大声で話をしている人がいます。
電子の力を信じていないのではないかと
思ってしまうほどです。
携帯電話にはやさしく、ささやくように語ってあげましょう。


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2003年4月13日(日)

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