服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第209回
美しい朝ごはん その2

きょうの朝ごはんはどこで食べましたか。
きちんと家に居るときは自宅で朝食を食べるでしょう。
でも、旅や出張のときには
たいていホテルでの朝食ということになります。
ホテルの朝食はたいていバイキング形式が多いですね。
これもまあ時代の流れなのでしょう。

私もよく、ホテルに泊り、
バイキングの朝食を食べることがあります。
ごくまれにですが、
牛乳などをその場で立ち飲みしている人がいます。
ほんとうは、コップに牛乳を注いで、
自分の席まで運んでから、飲む。
でも、その人はそこまで待てなかったのでしょう。
けれどもこれは恥しいことですから、やめましょう。

恥しいだけでなく、自分にとっても損なことなのです。
牛乳1ぱい飲むにも、私は手順があると考えています。
牛乳を飲む前に、語りかける。
実に栄養価の高そうな牛乳だなあ、と語りかける。
このひと言で、牛乳がさらに元気になる。
―なにをバカバカしいことを言うのだ、
と怒りはじめるかも知れません。
でも、私はそんなこともあるだろうと考えています。
もし、元気になることがなくても、
食べ物と会話をしながら食べたほうが楽しいではないですか。

まず食べ物に語りかけ、
元気になった食べ物を自分の身体に入れて、活力とする。
これが私の食事の仕方なのです。
花を育てるのに美しい音楽を聞かせると、
より美しく咲くと言いますが、
それと似ているのではないでしょうか。

バイキング形式の朝食で、
食事を残すのも恥しいことです。
いや、食べ物に対して失礼なことでしょう。
最初から、自分の皿に少しづつ取る。
食べて美味しいと思ったなら、
お代りをすれば良いのです。
ジュースやコーヒーなどの飲み物もまったく同じこと。
つまり最初のひと口は少しにしておく。
もっと飲みたいなら、飲みたい分だけ追加する。

とにかく自分の食事のお皿、トレイの上で完結させる。
これが美しい朝食なのです。


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2003年4月20日(日)

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