服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第210回
美しい朝ごはん その3

ホテルの朝食はお好きですか。
もちろん時と場合によっては、
もうそこで食べるしか選択の余地がないこともあるでしょう。
好き嫌いを言ってられない。
それにしてもバイキング形式が多くなりましたね。
しかも世界的な傾向でもあります。

バイキング形式でひとつ困ることは、
どうしてもゴミが出ることです。
ヨーグルトひとつにしても、
プラスチックの容器に入っていたりする。
バターを使おうとしても、マーマレードを使おうとしても、
包み紙がゴミになってしまう。
ゆでたまごを食べると当然のことながら
たまごのカラがゴミになってしまう。

ひとうの方法は、少し大きなゴミの中に、
小さなゴミを入れてしまう。
たとえばヨーグルトを食べたあとの容器に、
バターの包み紙などを小さく畳んで入れておく。
こうすれば多少はスマートなトレイの上で
食事ができるでしょう。

そのためにはバターやマーマレードなどは
最初から全部、パン皿の上に出してしまう。
そうすると、包み紙などを
すっかり捨ててしまえるでしょう。

イタリアの田舎を旅して、
小さな宿に泊ったりすると、
テーブルの上に小さな、可愛い箱が置いてあったりします。
最初、なんだろう、と思ったのですが
ゴミ箱だったのです。
バターの包み紙などをどんどん入れてしまえば、
トレイの上がいつでもきれいなままで食事ができる。
これは日本のホテルでも真似してもらいたいものです。

他にも真似してもらいたいことがあります。
コーヒーは仕方ないとしても、紅茶。
食道の隅にサモワールのような熱湯の道具が用意してあって、
自分で小さなポットにティーバッグと湯を入れる仕組。
これなら好みの味で紅茶が楽しめるわけです。

あるいはパンを丸ごと置いてあって、
好きなパンを好きなだけ、自分で切って
皿に盛るスタイルのホテルもあります。
ちょっとした工夫で美しい朝食は可能なのです。


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2003年4月21日(月)

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