服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第220回
花一輪の美しさ

花はお好きですか。
いくら人の好みがさまざまでも、
まさか花が嫌いという人はいないでしょう。
いつ、どんな時であっても、花は人の心を和ませ、
優しくさせるところがあります。
日々、花に囲まれた生活は誰にとっても理想でしょう。

人によっては「マイ花壜」を持っていて、
どこに出掛けるにもこれを持ってゆく。
旅先のホテルでも自分好みの花壜に、
好きな花を活けようというわけです。

でも、ここで私が提案したいのは、一輪の花なのです。
たしかに花束はすばらしい。
見事です。圧倒されるほど。
けれども花束だけが花の美しさではないと思います。
一輪の花にも、もちろん花の美があります。

まず花屋へ行って、一輪の花を買うことからはじめましょう。
つまり花を一本だけ買う。
200円か300円、高くても500円くらいでしょう。
花屋で一輪の花を買う。
たしかに私も最初、ちょっと抵抗がありました。
でも、それは最初だけ。
当り前ですが、花は一輪から気持ちよく売ってくれるのです。

さて、何を買うか。
もちろんその時の気分で好きな花を買う。
この時忘れてならないのは、
花の名前を教えてもらうことです。
私などもきれいだなあ、とは思うものの
ほとんど名前を知らない。

イキシア、スノードロップ、ロベリア・・・。
ちゃんとその花の名前を覚えておきましょう。
さて家に帰り、部屋に飾るというよりは、
自分のデスク近くに飾る。
自分の好みの定位置に飾る。
なにか一輪差しがあればいいのですが、
なければ細く、美しいコップを代りに使う方法もあるでしょう。

ところでもうひとつ、やることがあります。
小さなカードを用意して、
そこに教えてもらった花の名を自分で書いて添える。
水切りをすれば、ざっと10日近くはその花を楽しめるでしょう。
と同時に、花の名前をひとつ覚えることができるはずです。
花を飾ることは、結局のとこ、自分の心を飾ることなのです。


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2003年5月1日(木)

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