服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第252回
古本にも少しだけの愛情を

ときには古書店に行きますか。
前にお話したかと思いますが、
私は古書店好きなのです。
まあ、私の場合はたいてい古本屋であり、
古本なのですが。
つまり古本を買うという行為よりも、
古本屋へ行くこと自体が好きなのです。
なんといっても散歩になり、
気分転換になりますからね。

古本屋に行くからには古本を1、2冊買うこともあります。
人間、おついきあいということもあるでしょう。
さて、買った本をどうするか。ここが問題なのです。
それをすぐに読みはじめることはあまりない。
一応の儀式を経てから読みはじめる。

儀式とはおおげさ、
なに、ちょっとした掃除なのですが。
まずはほこりを払う。
本によって違いますが、
いわゆる古本の場合は信じられないほどのほこりを
吸込んでいるのがふつうです。

たとえばベランダかなにかに出て、風向きをしらべ、
必ず風下に立ってほこりを払う。
まずページをゆっくりめくるようにして、
本全体に空気を送り込む。
送り込んだところで、両手を使ってはたく。
と、本にたまったほこりが出てゆく。
これを何度か繰返すと、かなりきれいになります。

また表紙やカバーなどもきれいにすることができます。
ビニール・コーティングしてある紙と
そうでない紙では違ってきますが。
前者は少し石けん水を含ませた布で拭くときれいになります。
後者は丁寧に消しゴムを使うときれいに仕上ります。

でも、一番気になるのは
「天(てん)」や「小口(こぐち)」などの
本の端の部分でしょう。
本を立てた時、上になる端のことを「天」といいます。
「小口」はそれに続く脇です。
これはサンドペーパーを使います。
目の細かいサンドペーパーでゆっくりこすってやると、
陽焼けなども想像以上にきれいになります。

そして最後に、いつ、どこで買ったか
カードに書いて挟んでおけば、
まさしく自分の本になったような気がするのです。


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2003年6月2日(月)

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