服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第260回
ちょっとおしゃれなビールを見つけました

ちょっとおしゃれなビールを見つけたので報告します。
「花薫り(はなかおり)」というのが、その名前。
まず、名前からしておしゃれではありませんか。
フル・ネームはちょっと長くて
「まろやか酵母 花薫り」というのです。

このちょっとおしゃれなビールのなによりの特徴は、
ノン・フィルター(無濾過)という点にあります。
現在市販されているビールのほとんどは、
フィルターをかけて仕上げられる。
雑味を取りのぞいて、品質を安定させるために。
たしかに品質は安定するのですが、
その一方で微妙な味わいをも取り去ることがあります。

けれどもこの「花薫り」は
思い切ってノン・フィルターに賭けた。
そのために常に低音で管理しなければならない。
しかも生産から60日以内に飲むことが求められます。
そしてもうひとつの難点は、
330mlで238円と、少しばかり高いのです。

とにかく飲んでみました。
いや、飲むより前にフタを開けた瞬間、
はなやかな酵母の香りが漂う。
なるほど「花薫り」とはこのことか。
そしてひと口飲む。う〜む、シルキー&マイルド。
たしかにこれまでのビールにはなかった優雅さがあります。
おしゃれな味わいと形容するのが
いちばん近いのではないでしょうか。

あきやすい性格の私ですが、
しばらくはこのビールの味とおしゃれ度とに
ふり回されてしまいそうです。
せっかくおしゃれなビールを見つけたのですから、
この味にふさわしいビア・グラスを
ひとつ確保したいとお思います。
マイ・ビール、そしてマイ・グラス。

いつものビールをいつものグラスで飲む。
するとどの位の温度がいちばん美味しく感じるかが、
すぐに分るのではないでしょうか。
少なくとも、ビールの種類によって、
それぞれの適温があるはずです。
「花薫り」はあまり冷やしすぎないほうが美味しい、
と私は思います。
おやおや、温度計を持ち出したりしてきて。
でも、こんなことから会話がはずむのも
おしゃれなことではありませんか。


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2003年6月10日(火)

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