服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第274回
ヴェネチアン・グラスの器です

神保町あたりを歩いたりすることがありますか。
神田神保町。古書好きにはたまらない町でしょう。
これだけ密度の高い古書街は
世界でも珍しいのではないでしょうか。
おそらくは世界一の本の町です。
もちろん私もよく行きます。
でもね、行くとつい長居をしてしまうので、
その覚悟が必要なのですが。

神保町が世界一だというのは間違いないのですが、
少し足を伸ばしてお茶の水界隈も
捨てたものではありません。
表通りや裏通りに古書店が点在しています。
それに散歩するにはお茶の水のほうが
歩きやすいのではないでしょうか。

この間、たまたまお茶の水の駅で降りてみました。
聖橋を渡って、足の向くまま、気の向くまま歩いていて、
ステキな散歩道を見つけました。
一歩、奥に入ると、静かなのです。
意外にも緑が多くて、
ここが本当に都心だろうかと思われるほどです。

散歩、あるいは迷子のようになりながら歩いていて、
意外な場所で店を発見しました。
小さなヴェネチアン・グラスの専門店。
私はガラスが大好きなので、
もちろん入ってみました。

1階は小さなブティックで、小物が並んでいます。
で、地下1階は広くて、
アンティークのヴェネチアン・グラスが並んでいます。
やはり私にも買えそうなのは1階のようです。
ここで素晴らしいヴェネチアン・グラスの器がありました。
1万5千円。買えない値段ではありません。

聞くと、フローティング・キャンドルの器なのだそうです。
この器に水を入れ、キャンドルを浮べ、
その明りを楽しむのでしょう。
さらに話を聞くと、器を買った人には
キャンドルをサービスで付けてくれるのだそうです。
そのキャンドルは美しい花びらの形をしていて、
思わず買ってしまいましたよ。

店の名前は「サン・マルコ」(TEL:5246-2567)。
むかし、一度行ったことのあるサン・マルコ広場の情景と匂いが
一瞬よみがえってきました。


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2003年6月24日(火)

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