服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第310回
元気なそうめんです

そうめんをよく食べるほうですか。
漢字で書くと、素麺。または索麺。
素麺はあて字、正しくは索麺。
索(いと)のように細い麺ということなのだそうです。

『言海』を見ると、「索麺(さくめん)の音便」とあります。
奈良時代に中国から日本に伝えられたものなのでしょう。
私は讃岐の生まれであることと
関係があるのかどうか、麺は大好きです。
それも麺でさえあれば何でも好き。
そうめんももちろん大好きで、よく食べます。

もし100人いれば、
100通りのそうめんの食べ方があるのではないしょうか。
麺の好み、各産地の好みからはじまって、
薬味の数々に至るまで、
実にいろいろな好みがあるのでしょう。
なかには季節に限らず、
いつも必ず煮麺(にゅうめん)にして食べる、
という人もいます。

私の場合は、そうめんを
水から引上げた状態で食べるのが好きです。
そうめんをゆで、水でよく洗い、水で冷やし、
鉢の中の水から引上げて食べる。
そうではなくザルに引上げて、
ちょうどそばのようにして食べる。
特別の理由があるわけでもなく、
まあ、好みなのでしょう。

さらに好みを並べるなら、
そうめんには絶対、椎茸(しいたけ)が合う。
少し甘辛く煮たしいたけを細く切って添えると、
さらにそうめんの味が引立つ。
そうめんを食べ、しいたけを食べる。
これより美味いものはないのではないか、
と思えてくるほどです。
では、いっそのこと一緒に盛ってはどうか。
皿にそうめんを引上げ、しいたけ、金糸たまご、
紅しょうがなどを散らして、つゆをかけて完成。
つまり冷し中華のそうめん版といったところでしょうか。

さて、いよいよ口に運ぶわけですが、
私はその前に秘密の隠し味を加える。
それは「O(オー)ホット」という商品名の
トウガラシとニンニクをつぶしてペースト状に仕上げたもの。
実に使いやすく、風味絶佳、食欲増進、くせになってしまいます。
私はこのオリジナル・そうめんを食べてる以上、
夏負けなんかしないよと、勝手に思い込んでいます。


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2003年7月30日(水)

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