服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第318回
優雅なるダージリン・ティー

ダージリンを知っていますか。
そうです紅茶の種類ですね。
もう少し正確に言えば、
インド、ダージリンに産する紅茶を
その名前で呼ぶわけです。
ダージリンはインド北東部、
ウエスト・ベンガル州にあり、人口約10万人の都市。
その標高は2000メートルを越すといわれています。

さて、このダージリン地区に
マカイバリ茶園というのがあるそうです。
1859年の創業で、この地方では最古の歴史を誇っています。
現在のオーナーは、S・K・バナジーという名家出身の人物。
ふとしたことから
このマカイバリのダージリン・ティーを飲んだのです。
「ああ、これが本当の紅茶というやつか!」と感激しました。

これまで私が何十年と飲んできたのは
“ミルク・ティー”というひとつの分野であって、
紅茶そのものではなかったことに気づいたのです。

マカイバリ紅茶は原則として、
砂糖もミルクも加えずに、紅茶そのものを飲む。
というよりもなにかを加えるのは失礼なほどに、
上品で、香気に満ちているのです。
しかもひと口飲むと、心地良いあと味が
いつまでもいつまでも残る。
恥かしながらはじめての経験でした。

マカイバリ紅茶のもうひとつの特徴は、
完全なる有機農法で栽培されていることです。
しかも紅茶の1袋づつに、
「2003年夏摘み」といったふうに、
摘み取りの時期を明記していることです。
ことに最上級の“シルバーニードルズ”は、
満月の夜、新芽だけを手摘み、
手もみで仕上げられる逸品だそうです。
もちろん私はまだ飲んだことがありません。

私が飲んだ“シルバーティップス”でさえ、
これ以上優雅な紅茶は存在しないのではないか、
と思われたほどです。
もし、マカイバリ紅茶にご興味おありの方、
「マカイバリ・ジャパン」(TEL:3363-4332)に
問い合わせてみてはいかがでしょうか。
なにごとも「優雅」であることは、
人を心から感服させるものです。


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2003年8月7日(木)

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