服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第319回
サングラスを味方にする方法

サングラスは何枚持っていますか。
1枚、2枚、3枚・・・。
サングラスもまたメガネの一種ですから、
やはり1枚2枚と数えるものなのでしょう。

むかしイヌイットの人たちは
手づくりのサングラスを使ったようです。
それは細長い1枚の板で、
左右に細い溝状の穴を開ける。
これを紐で顔にくくりつけて、
サングラス代りとしたのです。
雪と氷の多い地域では生活必需品であったのでしょう。
言うまでもなく、本来のサングラスは
おしゃれ用品である前に、道具の一種であったのです。

もちろん今でも道具としてのサングラスはあります。
よく知られているところでは、運転用サングラス。
主として反射光のまぶしさを防いでくれるのですが、
赤、黄、緑の識別がよりはっきりとできる仕組になっています。
あるいは釣り専用サングラスというのもあります。
これは水面からのまぶしさを防ぐよう工夫されていて、
さらには水中のなかも見やすいレンズを採用したものです。
さらには射撃用サングラスもあります。
的を見やすくするのが目的で、
また衝撃に強いレンズが使われます。

このように自分の目的に合わせたサングラスを選ぶのも
ひとつの方法でしょう。
同じようにアウト・ドアであっても、
海で遊ぶのと山を歩くので大きく違ってくるでしょう。
クルマを運転するのかしないのかによっても違ってくる。
一度、専門店に行き、自分の目的に合った、
専用サングラスを選んではいかがでしょうか。
このサングラスをそれぞれの目的に合わせて使う。
そして時と場合によっては、
町を歩くときにもかけてみる。

サングラスが似合うか似合わないかは、
自信があるかないかでほぼ決るのです。
これは自分の趣味に合わせたサングラスなのだ、
と思えば自信をもってかけることができるでしょう。
その自信を強く持ったまま、おしゃれ用として使うと、
必ず自分の顔にフィットするはずです。
たかがサングラスですが、
自分の味方にするための考え方は、
すべてのファッションに共通するのです。


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2003年8月8日(金)

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