服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第329回
若さの秘訣発見しました

101才の映画監督を知っていますか。
まさか、とおっしゃるかも知れませんが、
冗談ではありません。
その名はレニ・リーフェンシュタール。
今年、8月22日で101才になったそうです。
彼女の最新作は
『ワンダー・アンダーウォーター原色の海』。
そのタイトルから想像できるように、
海底映画なのです。
そのほとんどの映像を
彼女自身が潜水して撮影したというのですから、
驚くではありませんか。
なんでも過去30年に、
2000回もの潜水を行ったそうです。
この映画、私はまだ観ていませんが、
ぜひ行きたいと思います。

レニ・リーフェンシュタールが
潜水のためのライセンスを取得したのは、71才の時。
このとき周囲を心配させてはいけないと、
「51才です」と申告したそうです。
20才もサバが読めること自体、
立派なものではありませんか。

ところで年齢とは何か。
あらためて考え込んでしまいます。
たとえば樋口一葉は明治29年、24才で没しています。
同じ女流作家でも宇野千代は
レニ女史に似て永生きをしています。
つまり年齢とはまったく個人的なものなのです。

年齢、何才、いくつ・・・。
もういいかげんに忘れてしまいませんか。
年を覚えていようといまいと、
お迎えは勝手に来るでしょうから。
いや、もっと積極的にレニ女史を見習って、
どんどん年齢のサバを読みましょう。
ただし、自分自身に対して。

12才若くなってみる。24才若くなってみる。
36才若くなってみる。
自分自身に言い聞かせるだけのことですから、
何の問題もありません。
でも、言い聞かせるだけでなく、
実際に青年に、少年になってみる。
まずは格好です。
自分で設定した年齢にふさわしい格好をしてみる。
次に少年の頃に、青年の頃にやろうとして
出来なかったことをやってみる。
もし、それが完成しようとしまいと、
これこそ若さの秘訣ではないでしょうか。
では、ひとつ映画でも作ってみますか。


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2003年8月27日(水)

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