服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第332回
スリムな体型への秘密兵器

「少しおやせになりましたか?」
しばらくぶりの人にこう言われた時、
うれしいですか、悲しいですか。
私はうれしいほうです。
だいたい女性に対しても男性に対しても、
「少し太りましたか?」というのは禁句です。
私自身、言われてもちっともうれしくない。
私は自分で太っているなどとは思ってもいない。
でも、少し太り気味かなとは思いますが。

そもそも体型とは相対的なものですから、
そう簡単に太い細いと決めつけることは出来ません。
またその時、服の選び方によっても
多少、違ってくるでしょう。

やや太り気味の人が注意すべきは、
細身の服を着ないことです。
少しゆとりのあるシルエットのほうが賢明でしょう。
でも、たいていの場合、
無意識のうちにタイトな服を選んでしまうのです。
これは逆効果ですから、
ぜひとも止めるべきでしょう。

たとえばシャツでも、首まわりや胴まわり、
あるいは袖丈なども含めて、
やや余裕のあるものにします。
ゆったりと着こなす。
結局はそのほうが良い効果を発揮します。

パンツの履き方はさらに重要です。
股上の浅いパンツは絶対に避けて下さい。
パンツの生命(いのち)はウエストにあって、
ウエストをどううまく納めるかですべてが決する、
と言って過言でないほどです。
股上は深めで、シャツの色と
はっきりと異なるパンツを選びます。
どうしても下腹のボリュームが気になる人には
秘密兵器があります。
あまり大きな声では言えませんが、ゴムバンド。

腹に直接、ゴムバンドをしっかりと巻く。
腰痛対策用のそれを転用してもかまいません。
その上から下着をつけ、シャツを着る。
当然、ウエストまわりがすっきりと仕上ります。

ゴムバンドの利点は常に
下腹部を意識するところにあります。
「ああ、ここの部分が余計なんだなあ」と。
体型は自分ではっきりと意識するところからはじまります。
いつも、強く、真剣に
「もう少しこうしたいなあ」と思っていれば、
必ずそのような体型に近づくものなのです。


←前回記事へ

2003年8月30日(土)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ