服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第333回
幸福を運ぶホットケーキ

ホットケーキを作ったことがありますか。
食べたことはもちろんあるでしょう。
でも、自分で作ったことがありますか。
私は作ったことがあります。
というよりも、ホットケーキはよく作りますよ。
簡単です、私にもできるのですから。
ただし私の作り方はとても乱暴ですが。

日曜の朝、ゆっくりと起きて、
自己流のホットケーキを焼いて食べるのは、
楽しいものです。
もちろんパジャマを着たままでフライパンを使い、食べる。

まずボールの中に卵を1個割り入れます。
次に牛乳を適量。ほら、乱暴でしょう。
軽くかき混ぜたところで粉を適量加えます。
1番手軽なのは市販のホットケーキ・ミックスです。
泡立器にとろりとからむようになったら上出来。
牛乳と粉の量を加減すれば、
すぐにその状態になります。
さて、ここで加えるものがあります。
昨日の夜の飲み残しのブランデーです。
グラスの底に残っているやつをふりかけると
格段に香りが良くなります。

次に大きなテフロンのフライパンを弱火にかける。
この時、オイルの必要はありません。
で、全部の原料をそこに入れる。
表面全体にプツプツと気孔ができはじめたなら、
ヨイショと裏返します。もっとも緊張する一瞬。
つまりですね、大きな1枚にして
一度に焼いてしまうのです。
そのほうが面倒でないし、失敗が少ないですからね。
全体にふくらんできたら、完成。
さあ、食べましょう。

まず表面に軽くバターを塗り、
食べやすい大きさに切る。
切ったあとからメープル・シロップをかける。
これに熱くて、濃いコーヒーがあれば
もう言うことはありません。
ホットケーキにはハチミツと決っているようですが、
私はなぜかメープル・シロップが好きなのです。

私はロボットではありません。
ブルーな日曜日だってあります。
こんな時こそ絶対にホットケーキです。
ブルーだからといってじっとしているより、
泡立器を持って身体を動かすほうが、元気になります。
そしてホットケーキを食べると
もっと明るい気分になれるのです。


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2003年8月31日(日)

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