服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第420回
肩のこらないサスペンダーのおしゃれ

ベルト派ですか、サスペンダー派ですか。
パンツを穿く時にベルトを使うのか、
サスペンダーを使うのか。
もちろんごく少数、
ベルトレス派という人もいるかも知れません。
私の場合は三種混合派でしょう。
ベルトレス、サスペンダー、ベルトを
服によって使い分けています。

もしチョッキを着る場合には
たいていサスペンダーを使う。
ズボン吊りですね。
“サスペンダー”は主としてアメリカでの言い方で、
イギリスではたいてい“ブレイシーズ”
bracesと言います。
さらに古くは“ギャロウシーズ”
gallowsesの呼び方があったようです。
これは18世紀後半からあったそうですから、
古いですね。

まあ、それはともかくむかしはサスペンダー(ブレイシーズ)は
下着の一種だと考えられていました。
けっして他人の目には見せないのが原則だったのです。
チョッキはサスペンダーを隠すためにも必要でありました。
万一、チョッキを脱ぐときには
サスペンダーも一緒に外したといいますから、
よほど本気で「下着」だと考えていたのですね。

でも、今はもうすっかりおしゃれの一部だと
考えられるようになっています。
サスペンダーの上手な使い方は、
あくまでも補助手段と割り切ることです。
軽く、支えるつもりで。
そうすれば強く締め上げることもなく、
パンツのバランスを崩さずにすみます。

私は無地で、幅広のサスペンダーが好きです。
白やブルーなどをはじめとして何色か揃えておくと、
ワイシャツの色に合わせることができるでしょう。
またパンツへの留め方は
クリップ式とボタン式とがありますが、
私は後者のほうがクラシックでおしゃれだと思います。

さらには帯の部分の幅の好みもあるでしょう。
細い幅か、広い幅か。
幅の広いサスペンダーをゆるく使うことをおすすめします。
細いサスペンダーを強く締めたりすると、
肩がこったりすることもあります。
肩のこらない、楽しいサスペンダーを
おしゃれの仲間に加えようではありませんか。


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