服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第489回
美しい髪の色

今、白髪は何本ありますか。
もちろん1本もない、という人もいるでしょう。
あるいは、もう数えきれないほどある、
という人もいるかも知れません。
私はたぶん後者のほうでしょう。
年相応に白いものが増えてきました。
でも、ちょっと見方を変えてみませんか。

まず最初にブラック・ヘアがある。
やがてごく自然にグレイ・ヘアとなる。
さらにはシルバー・ヘアを経て、プラチナ・ヘア。
そして最後に、究極のホワイト・ゴールドの色。
美しいホワイト・ゴールドの色になるまで、
髪が存在している、生命が存在している。
もうこれだけで素晴らしいことではないでしょうか。
間違いなしの、貴重品。

黒い髪だけが良くて、白い髪は良くない、
などと誰が言えるでしょうか。
青葉も美しく、紅葉も美しい。
ブラックも良し、グレイも良し、シルバーも良し、
プラチナも良し、ホワイト・ゴールドも良し。

たとえば色のことだけ考えても、
こんなことがあります。
黒い髪にははっきりとした色、
強い色がよくマッチする。
あるいはブルーやグレイの基本色がよく似合う。
けれどもやわらかな色、淡い色は難しい。
というのも全体の構成のなかで、
黒い髪の印象が強くなるからです。

本当のことを言えば、
グレイ・ヘアのパステル・ピンクはよく似合う。
つまり、淡く、繊細で、
微妙な色づかいのアクセサリーなどは、
グレイ・ヘアのほうがはるかに有利なのです。
パステル・グリーン、レモン・イエロー、ローズ、
サックス・ブルー、バイオレット・・・。

ということは髪の色は
人生への暗示ではないでしょうか。
髪が黒であるなら、
ベイシック・カラーのスーツに身を包んで、
大いに働きなさい。
グレイ・ヘアーになったら、
そろそろ優雅な、美しい色を身につけて、
人生を楽しみなさい。
いや、髪の色がそう言っているように、
私には思えるのです。
まあ、それはともかく、グレイ・ヘアになったら、
美しい色を大いに楽しもうではありませんか。


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