服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第498回
マッキントッシュにシルエットを学ぶ

マッキントッシュを着たことがありますか。
「マッキントッシュはコンピューターで、
 着るものではないよ」
と、おっしゃるむきがあるかも知れません。
でも、着るマッキントッシュもあるのです。

マッキントッシュはひと言で言えば
「ゴム引きコート」のこと。
英語なら“ラバライズド・コート”でしょうか。
もっとも、時と場合によっては
単に“マック”と
省略して呼ばれることもあります。
生地の裏に、あるいは生地と生地との間に
薄いゴムを張ったコート。
防水性が抜群であることは、
申すまでもありません。
雨を防いでくれるくらいですから、
当然、風も防いでくれます。
本来は防寒を目的としたものではありませんが、
下に着るものの組合わせによっては、
充分暖かい着心地が楽しめるものです。

マッキントッシュの綴りは、
Macintosh,Mackintosh でも
Mcintoshでもありません。
スコットランドの化学者、
チャールズ・マッキントッシュが
その考案者であるからです。
C・マッキントッシュは、
1766年12月29日に生まれています。
マッキントッシュが小さな研究所を開いたのは、
1797年のことです。
ここを背景に、協力者と共に
いくつかの研究開発を行っています。
けれども彼の最大の発明は、
自由に扱えるゴムだったのです。
完成は1823年のことで、
同じ年には特許を得、
王立協会の一員にも迎えられています。
その後、1843年7月25日、76歳で世を去っています。

それはともかく、
今なおマッキントッシュは、
基本的な、親しみやすいコートとして、
世界中の人たちから愛用されているのです。
マッキントッシュは当然のことながら、
他のコートにはない張りがあります。
生地がしっかりしているのです。
共ベルトの締め方によって、
実に美しいシルエットが生まれるのです。
コートにとってシルエットがいかに大切かを学ぶためにも、
マッキントッシュは有効です。
「バルカナイズ」(TEL:5464-5255)を
一度のぞいてみることをおすすめします。


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