服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第500回
朝食のおしゃれ

ドライ・マティーニに、
なぜオリーブを添えるのか、知っていますか。
私は知りません。
ご存じの方、ぜひお教え下さい。
ただ、むかしからオリーブには
食欲増進の効果がある、と信じられてきました。
マティーニは主として食前酒ですから、
その意味でもふさわしいと考えられたのかも知れません。

まったく無意識にやっていましたが、
食前にオリーブをおつまみにするのは、
理に叶っているわけですね。
私は鮮やかなグリーンの、
大粒のオリーブを食前に食べるのです。
どうもあれはアスコラノという品種であるらしい。
オリーブでもワインと同じく、
数多くの品種があるようです。
ゼビラノ、マンザニロ、ミッション、
ネバジロ、フラントイオ、レッディング・・・。

塩づけにして長期保存するオリーブは、
完熟前に採るのだそうです。
だから色が青々として美しい。
オリーブ・オイル用には完熟の実を使うとのこと。
で、最初はまったく力を加えない。
袋に詰めて、吊るしておくだけで、
一滴一滴、オイルが落ちてくる。
これが本来の“ヴァージン・オイル”なのです。
力をまったく加えていないので、
香りも味も上品で、透明感がある。
まさしくオリーブ・オイルの極上品です。
もともとは薬用、
あるいは化粧品として使われたというのも、
よく分ります。

紀元前2475年頃、
クレタ島でオリーブの栽培をし、
近隣諸国にオイルと木材とを輸出した歴史があると言います。
ざっと5000年近い歴史を持っているわけですね。

私はバターが大好き。
パンにバターをつける時、
どちらがパンで、
どちらがパターか分らないほどにつけてしまう。
これでは太らないはずがありません。
今、少し反省しているところです。
さすがにパンをやめることはできませんが、
パターの代りにオリーブ・オイルにしよう、
と考えています。

ごく少量のオリーブ・オイルにごく少量の塩。
できれば上質の天然塩がいいなあ。
そしてオリーブ・オイルが美しく映える、
白い、素敵な皿が欲しいなあ。
こうして朝の食事が美しくなってゆくのです。


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