服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第546回
美しい靴紐の結び方

今、履いている靴、紐が付いていますか。
男の靴は大きく分けて、
紐で結ぶタイプと、
紐なしで履くタイプとがありますね。
“レイスド・シューズ”に対する
“スリップ・オン・シューズ”。
時に紐付きの短靴を
“オクスフォード・シューズ”と呼ぶこともあります。

これはまあ、好みでもあるのでしょう。
スリップ・オン式のほうが楽だ、という人もいます。
また一方では、紐付きのほうがより足にフィットする、
という人もいるでしょう。
もちろん私も時と場合によって、
どちらの靴も履くことがあります。
さて、今日は靴紐の結び方について。

靴紐はたいていコットンです。
コットンの長所は一度結ぶと、
解けにくいこと。
逆に短所は合繊などに較べて弱いことです。
丸紐、平紐などさまざまな種類がありますが、
切れたりする前に交換しましょう。
靴紐はシュー・ストリングと言いますが、
これを替えただけで、
靴の表情が一変することがあります。
履くほうとしても、
もっとしっかり手入れをしなくては、
という気持になるほどです。
第一新しい靴紐は爽やかなものですし、
値段もたいへん安い。

ところでオクスフォード・シューズで
絶対にしてはいけないこと。
それは靴紐を解かずに、
靴を履いたり、脱いだりすること。
必ず紐を解いてからにしましょう。

さて、靴紐はどんな姿勢で結びますか。
玄関で腰をかけて。
まあ、多くの人がそうかも知れません。
本当は広い玄関に専用の椅子でもあるといいでしょうが。
現実はそうではない私は、立って靴紐を結ぶ。
ツルの片脚立ちを想像してみて下さい。
もっとも私の場合、
軽く壁に背をあずけてはいるのですが。
もう少し慣れてくると、
本当にツルの片脚立ちで
靴紐が結べるようになるのでは、
とねがっています。

いつ、どんな時でも、
より美しい姿勢を保とうとする。
ポーズ、ポーズ、ポーズ。
自分で、自分の美しい姿勢を想像する。
これこそおしゃれの本当の第一歩なのです。


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